はじめに

【ねぶた(ねぷた)とは?】

ねぶたは青森県の夏のお祭りである「ねぶた祭り」にて運行される山車灯籠のことです。針金等の骨組みに和紙を貼り付けて製作し、内部にLED等の電飾を設置して光らせます。

大きさは様々ですが、大型のものは高さ20m超(五所川原立佞武多)と圧巻の大きさで、夏の夜を明るく照らします。

青森県五所川原市のねぶた祭り(立佞武多)の様子

【三大ねぶた祭り】

ねぶた祭りは青森県の各地で8月初旬から行われますが、中でも青森市の「青森ねぶた」、弘前市の「弘前ねぷた」、五所川原市の「五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)」が有名で、三大ねぶた祭りと呼ばれます。

地域によって山車灯籠の形状には若干の差異があり、青森市は横長、五所川原市は縦長、弘前市は扇形のものが特徴として知られています。

【「ねぶた」と「ねぷた」】

「ねぶた」と「ねぷた」という2つの呼び方がありますが、どちらも同じ意味で混用されています。

ただし、青森市と弘前市のねぶた祭りは「青森ねぶた」、「弘前ねぷた」という名称で重要無形民俗文化財に登録されているため、青森は「ねぶた」、弘前は「ねぷた」と記載されます。

五所川原市のねぶた祭りは「立佞武多(たちねぷた)」と呼ばれますが、「ねぶた」「ねぷた」という呼称も用いられています。

なお、当団体では、佐世保市において最も馴染みのある呼称である「ねぶた」を使用しています。


【佐世保でのねぶた祭り開催を目指す理由】

一番の理由は「素晴らしいねぶたを佐世保に持ってきたい」という代表の井手の想いです。

ただし、私達にはその他にも想いがあります。それは、「ねぶた祭りのように、誰もが楽しめるイベントで佐世保を盛り上げたい」というものです。

趣味嗜好が多様化した現代においては、イベントを開催しても一部の人だけしか楽しめないということが起こりがちです。ともすれば、市外から人は集まっても、そこに住む佐世保市民は無関心……というのはやはり寂しいものです。

どうすれば誰もが楽しめるイベントになるのでしょう。私達は、その答えを青森市の青森ねぶた祭りに見出しました。

【見る側から見せる側へ】

通常のお祭りは「見せる側(参加者)」と「見る側(観客側)」が明確に区別されています。一方、青森ねぶた祭りでは観光客であっても指定衣装を着用すれば祭りの踊り手(跳人。ハネト)として飛び入り参加することができます。

普通ならば見るだけで終わるはずの祭りに、観光客でありながら現地の参加者と共に「見せる側」となって楽しむ。青森ねぶた祭りにはそんな特徴がありました。

見る側にいるときは、興味がある人しか楽しめません。興味がないことに関心を持ってもらうことは難しいものですから、楽しめる人だけが楽しむイベントになってしまいます。

しかし、見せる側ならば「自分のこと」ですから、必然的に興味を持ちますし、楽しむことができます。ならば、多くの人が「見せる側」となるイベントにすれば、誰もが楽しめるイベントに近づくのではないか。私達はそう考えました。

【多様な参加方法】

趣味嗜好が多様化した現代。興味があることは皆違います。ならば、多様な参加方法を用意し、自分に合ったスタイルでイベントに参加してもらうのはどうでしょう?

  • 祭りには観客席が必要です。地元の飲食店が観客席を確保し、自分の店の料理をセットにして観客に売り出すのはどうでしょう?
  • イベントには周知ポスターが欠かせません。絵画の道を志す若者が描いたポスターを作者の名前付きで町に貼り出すのはどうでしょう?
  • 長崎には精霊流しという提灯を山車に載せて運行するイベントがあります。この技術を応用し、精霊船業者が中型〜大型のねぶたを作ってみるのはどうでしょう?
  • ねぶたとは、極論すれば着色された灯籠です。未着色のねぶたを観光客が会場で着色し、会場に展示してもらうのはどうでしょう?

ねぶた祭りは、ねぶた職人と運行者、踊り手だけで成り立つものではありません。多数の市民が、自分の望む形で参加することで、自然と誰もが楽しめるイベントになるのではないでしょうか。


【人と人をつなぐ】

佐世保を盛り上げたい。その想いを実現するには、イベントの日だけ盛り上がるのではなく、イベント後も盛り上がってほしいと考えています。

目指すのは、人と人をつなぐきっかけとなるイベント。祭りに参加しているのは、自分の分野で活躍する輝かしい人々です。そんな人達と、祭りの後もつながり続け、佐世保での日常をも盛り上げていきたいと考えています。